いまひとつ乗れなかった。
手紙
監督:生野慈朗 (TV「3年B組金八先生」)
出演:山田孝之 、玉山鉄二 、沢尻エリカ 、吹石一恵 、吹越満 、風間杜夫
★★☆☆☆(2.0)
両親を亡くし、支えあって生きてきた兄弟。
弟の学費欲しさに盗みに入った家で、誤って人を殺してしまった兄。
刑罰や更正を題材に、加害者の家族として差別や偏見を受ける弟と、刑務所の中の兄との手紙のやりとりを綴った作品。
東野圭吾原作。
いろいろな要素がうまく構成されている作品だと思う。
殺人犯となった兄に対する感情が危うく揺れ動くさまをうまく描いていると思った。
決して悪くないのだが、うまくできすぎで乗れなかった。
題材がシリアスなのであまり言えないが、つっこみたくなるところも多く。
たとえば・・・
直貴(山田孝之)が恋人とその父親に会いに行く場面。
父「朝美(娘の名前)の手料理、食べない方がいいぞ」
娘「あら。どういう意味よ、パパ~」
父「食べられないことはないんだけどな」
娘「パパったら~」
だって。こういうセリフに冷めるんですよねーワタシ。
その彼女が真実を知った後、直貴のところにやってくる理由もわからない。
その後の展開のためのシーンだとしか思えない。
直貴の支えとなる由美子(沢尻エリカ)が関西弁なのも、さっぱり理由がわからない。
どこかでセリフ聞き逃したかなあ・・・
・・・と、121分中100分までは非常に退屈して観ていたんだけど、最後の20分でまあ救われましたね。
私の好きな俳優吹越満(被害者の家族の役)が出てくる場面にこの作品のすべてが集約されていました。
ラストシーンも「ん?」と思うところはあったんだけど、兄(玉山鉄二)の姿をカメラがただとらえるだけだったのは良かった。でも小田和正の「言葉にできない」が挿入歌って・・・狙いすぎ!と思うのは私の心が荒んでいるのでしょうか・・・
山田孝之くんは電車男や今回のお笑い芸人の役などいろいろやっていて売れっ子ですが、
どれを見てもなんだかあまりイメージが変わらないですね。悲壮感たっぷりの役があっているのかな。うまいとは思うんだけど。
11月3日公開