やっと観ることができた。
ブロークバック・マウンテン
監督:アン・リー(「恋人たちの食卓」「いつか晴れた日に」)
俳優:ヒース・レジャー 、ジェイク・ギレンホール 、ミシェル・ウィリアムズ 、アン・ハサウェイ
★★★★☆(4.0)
「ハルク」(2003年作、アメコミの映画化)はこれを撮るための資金作りね?と思わせるような、アン・リーらしい作品。
とはいえ、「ハルク」にも父子愛の要素を入れてしまったアン・リー監督ですが、やはりあなたは“人間”を撮ってください(笑
本年度のアカデミー賞で8部門にノミネートされ、話題になりました。
あちこちで『同性愛のカウボーイの映画』と書かれていましたが、確かにそうなのですが、それだけだと誤解を受けそうです。
ホモフォビアの父親に育てられたイリス(ヒース・レジャー)は、自分のセクシュアリティと葛藤し、一方でジャック(ジェイク・ギレンホール)は、自分の気持ちを素直に表現し、とまどったり悩んだりしない。対照的ともいえる二人の思いは、運命的に交差し、交わったり離れたりを繰り返す。
20年という時の流れを描いているのに、全く不自然さがない。
アン・リーらしいというのは、根本に家族の存在があるからで、どんなことがあれ、それぞれのキャラクターは間違いなく家族を愛し、愛されている、ということ。
ブロークバックという名前も殺された犬も、ちゃんと観る者に意味を知らせてくれる。隠喩的な手法も見事だ。
アン・リー自身が寡黙な人らしいんだけど、やはり寡黙な作品を作るね(セリフが少ないという意味ではなく)。
ヒース・レジャーって今まであまり作品に恵まれてなかったのかもしれないんだけど、この作品ではとにかくカッコイイ。結婚式のシーンあたりでは、すっかりホの字でした・・・いいなあ、妻役(ミシェル・ウィリアムズ。「ランド・オブ・プレンティ(04)」の主役の女の子で、なんとこの作品がきっかけでヒース・レジャーと・・・!うむむ)。
最後の場面で、イニス(ヒース・レジャー)が「I swear.」と言うんですが、字幕には「ずっと一緒にいるって約束するよ」(ちょっと違うかもしれないけれどだいたいこんなこと)と出たんです。
確かに間違ってないね、正しいね、でもね、そう言わないで・・・・と悔しくなってしまいました。