私の好きなスペインのペドロ・アルモドバル監督作品。
その中で2003年に日本で公開された『トーク・トゥ・ハー』という作品がありますが、
その作品の冒頭とラストに使われていたピナ・バウシュの舞台を、観て参りました。
ピナ・バウシュはドイツの振付家で、日本でも今回で10回目の公演になるそうです。
私はもちろん『トーク・トゥ・ハー』で初めて知り、ペドロ・アルモドバルのファンを語るにはぜひ一度観てみたいと思っていました。
映画の冒頭で使われた演目は「カフェ・ミュラー」。観た方はご存知だと思いますが、ピナ・バウシュ本人も登場しています。劇中、この舞台を観て、主人公のマルコ(昏睡状態のかつての恋人を持つ男)は号泣し、ベニグノ(昏睡状態の女性を愛する献身的な看護士)はこの舞台についてベッドで眠り続ける女性に興奮気味に話して聞かせるのです。
ピナの舞台を観ることができたので、改めて『トーク・トゥ・ハー』を観ようと思っています。
以前にも書いたように、アルモドバル作品はとにかく色彩のテクニックがすばらしいと思ってます。ピナの舞台ではほとんどが“自然色”です。ただ、「春の祭典」という演目では赤い布(ドレス)がまさにビビット。非常に印象に残りました。
ピナは過去にもフェデリコ・フェリーニ監督の『そして船は行く』という作品で盲目の皇女の役で出演したことがあるそうです。そのときのフェリーニ監督もこの「カフェ・ミュラー」にインスパイアされて出演を依頼したとか。
次は『トーク・トゥ・ハー』のラストに使われていたピナの作品「炎のマズルカ」をぜひ観てみたいものです!!