2010年。私が劇場で観た作品は40本でした。
繁忙期などは1ヶ月まるまる観なかった月もあるので、まあまあだったと思っています。
さて、毎年恒例(勝手に)の私的映画賞!
いつもながら趣味に走ってますよ!
最優秀作品賞:『瞳の奥の秘密』(フアン・ホセ・カンパネラ監督:スペイン・アルゼンチン)
優秀作品賞:『フローズン・リバー』(コートニー・ハント監督:米)
最優秀作品賞は今回も即決でした。前にも書いたように圧倒的な完成度です。サスペンスかと思いきや、ラブストーリーでもある脚本、非常に考えさせられる内容でありながらエンターテイメント性も十分。なかなか出会えない秀作です。優秀作品賞は、2人の女性を描いた作品で、母親としての強さと苦しさを表現した社会派ドラマ。主演のメリッサ・レオはアカデミー主演女優賞にノミネートされました。優秀作品賞には他に、『マイ・ブラザー』も候補にあがりました。
主演男優賞:トビー・マグワイア(『マイ・ブラザー』)
助演男優賞:マッツ・ミケルセン(『シャネル&ストラヴィンスキー』『誰がため』
デンマーク映画『ある愛の風景』のリメイクで、優秀作品賞候補にもなった『マイ・ブラザー』で兄のサムを演じたトビーが主演男優賞に選ばれました。同作で弟のトミーを演じたジェイク・ギレンホールは助演男優賞の候補でしたが、“この人が出ているだけで観たいと思わせる”という基準で、『シャネル&ストラヴィンスキー』でストラヴィンスキーを官能的に演じたマッツ・ミケルセンが選ばれました!デンマーク出身のミケルセン。いい男だ。遡って作品を観てみよう。
ほかに主演男優賞候補には『シングルマン』のコリン・ファース、助演男優賞候補には『
ヴィクトリア女王-世紀の愛』『わたしの可愛い人-シェリー』でそれぞれ助演したルパート・フレンドがあがりました。
主演女優賞:クリスティン・スコット・トーマス(『ずっとあなたを愛してる』)
助演女優賞:ポーラ・パットン(『プレシャス』)
2009年Y&W映画賞で該当なしとなった主演女優賞ですが、今回は即決でした。『ずっとあなたを愛してる』で、実の息子を殺した過去を持つ母親という難しい役どころを、静かに演じたクリスティン・スコット・トーマス。この役を演じるのはこの人を置いて他にいないと言えるでしょう。助演女優賞は、賛否両論にわいた『プレシャス』で教師役を演じたポーラ・パットン。作品中、最も納得できる存在でした。他に『オーケストラ!』のメラニー・ロラン、『悪人』の満島ひかりも候補に。
監督賞:フィリップ・クローデル(『ずっとあなたを愛してる』)
初監督作にしてこの出来!鑑賞後、いい小説を一冊読み終わった気分にさせてくれた。素晴らしい脚本と演出でした。次回作の予定はないんだろうか。
撮影賞:『インセプション』(米)
映像作家でもあるクリストファー・ノーランが描いた"夢の中の夢の中の夢"。公開前からそのストーリー展開と映像が大きな話題になりました。映像はいかにも斬新だが、結構笑える…。作品として楽しめることは確かです。
新人賞:ニコラス・ホルト(『シングルマン』)
この作品で瑞々しく悩ましい表情を見せた美青年が、あの『アバウト・ア・ボーイ』のマーカスくんだとは!もうハタチですか。そりゃあヒューも老けるわけだ。
音楽賞:『バーレスク』(米)
クリスマス映画として公開され、現在も大ヒット上映中のミュージカル映画。ストーリーなんてどうでもいいの。楽曲がカッコよくてパワフル!おすすめです。
審査員特別賞:ユアン・マクレガー(『フィリップ、きみを愛してる!』『ヤギと男と男と壁と』『ウディ・アレンの 夢と犯罪』)
全員一致(ただし2人)で決まったこの賞。ゲイのユアン、超カワイイ。40歳を目前にしてこの作品選びは立派です!次の日本公開作(制作は2008年)は『ブローン・アパート』というサスペンス・ドラマです。
ラジー賞:『運命のボタン』(米)、『ラブリーボーン』(米)
ハイ、私たちSFが不得意です。いやいやそれにしたってこれはナイでしょうよ!
当たりが少なかった2009年に比べれば、振り返ってみるとあれもよかったこれもよかった、と思い出される作品が多いです。全体的に珠玉の小品、という感じではありますが、それを探し当てられた時の喜びと言ったら日頃の疲れも吹き飛ぶほどです。
さて、2011年はコリン・ファースの代表作となること間違いなしとの呼び声高いイギリス作品や、ジョニデとアンジョリの共演作や、コーエン兄弟最新作などが待機しています。まずはデビッド・フィンチャーがfacebook創始者の半生を描いた、あの作品から観てみよう。
今年はどんな作品に出逢えるかな。楽しみです。