笑えるなー
サロゲート
(2009;米)
監督:ジョナサン・モストウ(『ターミネーター3』)
出演:ブルース・ウィリス、ラダ・ミッチェル、ロザムンド・パイク
★★☆☆☆(2.0)
近未来、人類の98%は自らの身代わりとなる“サロゲート”というロボットを日常生活に使用していた。ある深夜、青年と若い女性がクラブ前で殺された。その二人は、実はサロゲートで、眼球も破壊され、IDチップも黒焦げになっている。FBI捜査官のグリアーがそのサロゲートの持ち主を訪ねると、太った男が目から血を流し、死んでいた。サロゲートの破壊により持ち主まで死んでしまうという未曾有の事件が発生した・・・(GAGAより 一部加筆)
ブルース・ウィリスが演じる、FBI捜査官のグリアーが、最初に画面に出てきたとき、早速噴飯しそうだった。
初めに出てくるのは彼のサロゲートなんだけど、いかにもロボットらしく、しわがなく肌はつやつや、そして何より髪が!金髪がふさふさ!(下の画像は持ち主、つまり生身のグリアー)
クククと笑っていると、犯人を追いかけるグリアーのサロゲートが、あまりに不自然な動きなので、さらに笑った。スタントマンが宙吊りになっているのが見え見えだった。
さらに、―これはこの作品に限ったことではないが―車がかなり激しくひっくり返ったり店に突っ込んだりしても主人公は死なない。むしろ闘志を燃やし、元気百倍。いつものブルース・ウィリス同様、目の横(頬)と口元の傷からの流血も笑える。死ぬって普通!
SFはそれほど好きなジャンルではないが、こういった、空想の世界にひたれるのは面白い。
セリフにもあるように、身体や精神に障害を持つ人など、ロボットを自分の身代わりにして仕事をさせたり外出させたりすることを望む人もいるかもしれない。それが全世界の一般人にまで広がったら・・・という、少しやりすぎのような気もするが、考えてみると面白いようなテーマである。
ストーリーも徹底して娯楽作品という感じで、十分楽しめる。だが、後半は特に、展開に意外性がない。
サロゲートの機能(何ができて何ができないのか、どんな規則があるのか)がよくわからないままだったし、からくりを解明するところなど、いくらなんでも強引過ぎないだろうか。グリアーがいったいどの時点でどうしてわかったのか、まったく伝わってこないので、観ている側は煙にまかれたような感じになる。
ラストシーンは、行動やシチュエーション、そして場所までも予想的中で、思わず失笑してしまった。
途中で、こうなるだろうなー見たいなーと思っていたサロゲートたちの“最後の姿”が、可笑しくて仕方がなかった。監督は、この映像を一番撮りたかったんじゃないかな・・・