2009年。私が劇場で観た作品は30本。
仕事が充実していたんだ、と思うことにしています・・・
そんな1年でしたが、今年も決めました!私的映画賞!
しかし、今回はパッとしませんが・・・?
最優秀作品賞:『
扉をたたく人』(トム(トーマス)・マッカーシー監督;米)
優秀作品賞:『
グラン・トリノ』(クリント・イーストウッド監督;米)
最優秀作品賞は即決。かなりの人に勧めました。扱っているテーマはかなり重たいもので、最後まですっきりとはしません。でも、9.11後の矛盾さを、主人公個人の変化と連動させている脚本、ジャンベという楽器をキーに音楽を中心とした全体のバランス、そして、静かに静かに感情を爆発させる人物を演じた俳優たち、どれをとっても“欠点のない”作品です。優秀作品賞の『グラン・トリノ』は、コンスタントに作品を発表するイーストウッドへのリスペクトの意味も込めて。優秀作品賞には、ほかに『エレジー』も候補にあがりました。
主演男優賞:
リチャード・ジェンキンス(『扉をたたく人』)
助演男優賞:
クリストフ・ヴァルツ(『イングロリアス・バスターズ』;米)
リチャード・ジェンキンスは、米アカデミー賞でも主演男優賞にノミネートされました(受賞は『ミルク』のショーン・ペン)。今回の『扉をたたく人』もそうですが、2005年の『スタンドアップ』で演じた、シャーリーズ・セロンの父親役が素晴らしかったと話しました。『扉をたたく人』はまさしくこの人ありき、という感じです。助演男優賞はYさんの肝いり!
主演女優賞:該当無し
助演女優賞:
パトリシア・クラークソン(『
エレジー』;米)
ペネロペ・クルス(『それでも恋するバルセロナ』;西・米、『エレジー』)
なんとまあ、主演女優賞は悲しい結果ですよ。しかし、どんなに考えても該当者が思い浮かばず。強いて言うなら『サンシャイン・クリーニング』のエイミー・アダムスか?という感じですが、今回は残念ながら該当者無しということで。
それに比べて助演女優賞は候補者がいっぱい。ここに挙げた2人以外にも、『サンシャイン・クリーニング』のエミリー・ブラントや、『扉をたたく人』のヒアム・アッバスも加えたかったです。
監督賞:
イザベル・コイシェ(『エレジー』;米)
この女性監督の作品は、女性の気持ちを本当に生々しく描く。
撮影賞:『
チェンジリング』(米)
全体的にグレーの画面に、アンジョリの赤い口紅や緑や黄色の服の色がビビットに映る。1920年代のときを感じさせる路面電車や小道具の見せ方。イーストウッドの“技術”が見られる作品です。
新人賞:
エヴァン・レーチェル・ウッド(『ダイアナの選択』)
キャリアは10年以上でもはや新人とはいえないが、まだ22歳!今後に期待。
ドキュメンタリー賞:『
マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
ラジー賞:『
脳内ニューヨーク』(米)
『
ゼロの焦点』(日)
何事も期待しすぎるとよくないよね・・・ 『ゼロの焦点』の広末は超能力並みにすべてを読み解きます。私は彼女を認めないぞ!
こうして並べて見ると、同じ作品ばかりが並んでいます。
前回のこの賞を決めるときに、2008年は「当たりが少なかったな」と話しましたが、2009年は「2008年なんてずっとよかった!さらに当たりが少なかった!」というのがYさんと私の感想です。
さて、2010年は、アルモドバル、イーストウッドの新作あり、ヒース・レジャーの遺作あり、豪華キャストのミュージカルあり、ジョニデの白塗りあり・・・ということで少しは期待していいでしょうね。
今年はどんな作品に出逢えるかな。楽しみです。