“泣ける”なんてとんでもなかった。
アルゼンチンババア
(2007;日本)
監督:長尾直樹 (『さゞなみ』)
出演:役所広司 、鈴木京香 、堀北真希 、森下愛子 、小林裕吉
★★☆☆☆(1.5)
母親が死んだ日、毎日病院に通っていた石彫り職人の父親が姿を消してしまった・・・
半年後、父親は変わり者と評判の女性、“アルゼンチンババア”の屋敷で発見される。高校生のみつこは父親を説得しに屋敷に向かう…
吉本ばななの同名小説の映画化。
初めの方はまだよかったのだけど、だんだん「?」と思うところが多くなってきて、結局そのまま終わってしまった、という感じ。
失踪した父親に対してはともかく、母親が死んだ直後に父親のそばにいた女性(アルゼンチンババア)に対する、少女の感情があまりに不自然だ。
なぜ、そしていつから感情が変わったのか、全く読み取れなかった。
ラストのアルゼンチンババアのセリフにも、感動するどころか興ざめしてしまった。
堀北真希はかわいくて良いシーンもいくつかあったのだけど、ラスト近くのシーンは、タンゴをちゃんと踊ることにいっぱいいっぱいで、とても演技をしているとは言えないと思う。
鈴木京香はとてもババアなんて言えない美しさだった。しかし彼女の演技は“アルゼンチンババア”という存在を非常に曖昧にさせてしまった。
唯一よかったのは、従兄弟役の新人の男の子。
わざとらしいシーンも嫌味がなかったし、この役をあれだけ自然に演じられるのは素晴らしい。今後に期待したい。
吉本ばななの文章は好きだけど、原作は未見です。
でも小説ではきっとアルゼンチンババアがもっとうまく描写されてるんだろうなあ。
3月24日公開。