対照的な2本を観てきました。
グッドナイト&グッドラック
監督・脚本・出演:ジョージ・クルーニー(「コンフェッション」)
俳優:デヴィッド・ストラザーン 、ロバート・ダウニー・Jr 、パトリシア・クラークソン
レイ・ワイズ
★★★★★(4.5)
今月は幸先いいです。
共産党主義者を排除しようとする、時の権力者。それに報道・マスコミの立場で立ち向かう、テレビ局の男たちを描いた真実の話。
セックスシーンも暴力シーンも一切なく、歴史上の政治的事件をドキュメンタリータッチで描く。
気持ちを扇動するような音楽も使われない。それなのに、強烈に心揺さぶられた。
「good night, and good luck」というセリフで番組をしめくくった、伝説的なニュースキャスター、エド・マロー。彼が権力と闘う過程で、大切な人を失う。
そのときに一瞬だけ見せる男たちの“迷い”の表現が、見事だった。
30分間全力で走り、5分間休憩する。そしてまた30分走る・・・ そんな構成で映画は進む。
5分の休憩には必ずジャズ(ダイアン・リーヴスが歌う)が流れる。
完全な男世界で、彼らが交わすセリフが軽妙であり、また重厚でもある。
先日観た作品にはほとんど何も感じなかったけれど、私はこういう作品で涙腺が緩みます。
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プロデューサーズ
(2005;米)
監督:スーザン・ストローマン
俳優:ネイサン・レイン 、マシュー・ブロデリック 、ユマ・サーマン 、ウィル・フェレル
★★★☆☆(3.0)
メル・ブルックス監督による1968年の傑作コメディを再映画化した作品。
舞台版(2001年)を知っている人も多いと思うが、ネイサン・レインとマシュー・ブロデリックがそのままこの作品でもコンビを組んでいる。
話は、落ち目の舞台プロデューサー(ネイサン・レイン)と会計士(マシュー・ブロデリック)が、一儲けを企て、最高の駄作(!)を作る計画を練る、というもの。
私は冒頭でマシュー・ブロデリックが画面に出てきただけで笑ってしまった。
こんな情けない顔をした俳優も必要なんだなあ~と思って・・・
ミュージカルやミュージカル映画は好んで見るほうじゃないんだけど、これはなかなか。
映画だからこそ出せるものがあればもっと良かったけれど、十分楽しめました。
エンドロールの後にメル・ブルックス監督が登場します。
これから観る人は、最後まで楽しんでください。